依田宣夫の一言コラム

                                   第41回から第50回    

                                               

 

 

 

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  第50回 

 消費生活(その7)・・消費科目の推移を見る

  第49回 

 消費生活(その6)・・当期消費損益 

  第48回 

 消費生活(その5)・・消費の性質

  第47回 

 消費生活(その4)・・消費満足

  第46回 

 消費生活(その3)・・見えない支出の怖さ

  第45回 

 消費生活(その2)・・お金の管理と支出 

  第44回 

 消 費 生 活(その1)・・お金について

  第43回 

 家庭を守る(その8)・・家庭の問題点を探る

  第42回 

 家庭を守る(その7)・・家庭の問題点を探る

  第41回 

 家庭を守る(その6)・・財産について

 

       第50回 消費生活(その7)・・消費科目の推移を見る

 

   毎日、自分たち自身の家庭決算書を作っていて、消費損益計算書の当期消費損益が悪化した場合、なぜ悪化したのかという理由を知ることが重要です。悪化した理由が、例えば、冷蔵庫が突然壊れて買い替えをしなければいけなくなったため、備品費が増加したといった、イレギュラーな消費があった場合には、その悪化は継続しません。しかし、携帯電話の料金が高額になって通信費が増加しているなど、その理由が、毎月、同じ原因で悪化しているのであれば、来月も同様に悪化することが予測できます。

このように、家庭の会計データが継続的に蓄積されれば、当期消費損益がなぜ悪化したのかという理由を知ることとか、家庭の中でウェイトの高い消費はどのようなものがあるのかということを把握したり、家庭の消費構造の変化や傾向もつかめてきます。

また、消費損益計算書の月次の推移や年次の推移を見て、消費の内容を科目別に、比較分析することにより、家庭の実態がより理解され、家庭経営に役立てることが可能となります。

例えば、幼稚園と小学生の2人の子供がいるAさんの家庭の消費損益計算書の月次推移が、次のようになっているとします。

                消費損益計算書 

         一月   二月   三月   四月   五月   六月・・・

収入    30   30    30   30   30   60

消費 

日常生活費  15   15    15   15   15   25

その他生活費

外食費   2    3     1    2    2    5

交際費   1    1     2    1    2    3

教育費   3    3     3    3    3    3

旅行費   6          5      

車関係費  2    2     3    2    3    3

特別収入    0    0     0    0    0    0

特別消費    0    0     0    0    0    0

当期消費損益   1    6     1    7    5   21

            6月の収入増は賞与

 幼稚園と小学生の2人の子供がいるAさんの家庭では、このような推移を見て、次のようなことを検討することが可能となります。子供たちが小さいので、車を利用してレストランで食事をしたりしているようですが、外食費が毎月約2万円の出費は多すぎるかもしれません。最も削りやすく、かつ油断すると、あっという間に増えてしまうのが外食費です。この外食費を削るためのひとつの方法は、毎月の外食費の予算を決めることです。ドライブして、レストランで食事をすることは楽しいことですが、予算の中で上手にお金を使う工夫をしなければいけません。

また、子供の教育費が1ヵ月に3万円は多すぎるかもしれません。さらに、毎月、月謝以外に母の会とか発表会とか衣装代などの交際費の出費があるようですが、生活が苦しくなるようならお金のかけ方を考えることも必要です。

また、子供たちを夏休みや休日に楽しい思い出を作ってあげたいと旅行に連れて行くと、「その他消費の外食費や旅行費」が発生します。

さらに、このような支出を補うためには、「パートなどのその他収入」がどれくらい必要なのかということも、消費損益計算書から判断することが可能になります。収入の面では、市報や区報のフリーマーケット情報をチェックし、子供の服などの不用品を処分するとか、雑貨や衣類などはリサイクルショップも利用して、その売り上げ代金を少しでも貯金に回すとか、工夫することも考えられます。

このように、消費損益計算書の毎月の推移を検討することで、いろいろなことが分かってきます。

そして、ボーナスに頼らず、現実をしっかり直視して、1ヵ月で使えるお金はいくらなのかについて、消費の内訳を科目別にしっかり分析して、合理的なお金の使い方を研究することが家庭経営者の仕事なのです。

                          2008年9月19日

          

                  第49回 消費生活(その6)・・当期消費損益       

  

   当期消費損益は、収入(収入、特別収入)から消費(消費、特別消費)を引いた結果として計算されます。この当期消費損益は、家庭生活の消費活動の結果、家庭の正味財産が増加したのか減少したのかを明らかにしてくれます。当期消費損益がプラスの場合には、正味財産は増加し、マイナスの場合には正味財産は減少します。すなわち、当期消費損益の増減=正味財産の増減という関係になっています。

 「当期消費損益のプラス要因、マイナス要因」

  当期消費損益をプラスにする要因としては、家庭において収入を増やすことであり、消費を減らすことです。

  家庭の収入を増やす要因としては、給料や賞与が、ベースアップなどで上昇した場合に家庭の収入は増加します。しかし、これらは自分たちの努力だけでは、収入を増やすことは困難です。そこで、奥様や家族がパートやアルバイトなどで働くことによって、家族収入を増やす方法が一般的に考えられています。

  また、資産運用をして、たとえば、高利回りの定期預金などを選択し、受取利息や配当金を増やすとか、リスクを伴うが株式や投資信託などへ投資をするなどして、収入を増やす方法も考えられます。ただし、リスクを伴う投資は、必ず、自分たちの家庭決算書で、家庭の資金状況を検討してから行うようにすることが大切です。

 消費を減らす要因としては、通常、消費を節約する方法が考えられています。消費 の節約は、家計簿などでも多く取り上げられていますが、例えば、普段あまり利用 しない自動車を手放すことで、ガソリン代や自動車税をカットしたり、ファミリーレストランでの食事の回数を減らして外食費を減らすとか、友人との会食を自宅でするなどして交際費を減らすなどという方法も考えられます。

 また、キャッシュローンや住宅ローンなどの借り入れをしている場合には、支払利 息が発生しているので、家庭の状況を見て、借り換えや繰り上げ返済によって支払 利息を減らすことも考えるべきです。

 次に、当期消費損益のマイナス要因としては、家庭の収入が減ることであり、消費 が増えることです。

 家庭の収入が減る場合とは、例えば、会社が赤字となり給料や賞与がカットされる 場合とか、リストラなどによって失業をしてしまうといったことが考えられます。

 また、消費が増える場合とは、ライフイベント、例えば子供の入学、家族旅行とか 住宅購入などによって消費が増えたり、突然の病気により入院するなど臨時的に消 費が増える場合のことです。さらに、お金の支出はありませんが、例えば、土地の時価の下落だとか株の相場の下落などによって、所有している資産の評価損が発生して、当期消費損益が減少する場合もあります。

 このような、当期消費損益のプラス要因、マイナス要因を考えて家庭経営をするこ とが大切なのです。

 「当期消費損益は必ずプラスである必要はない」

 収入から消費を引いた当期消費損益をプラスにすることは、家庭の正味財産を増 やすことで、望ましいことといえます。しかし、だからといって必ずプラスにしなければいけない、ということではありません。たとえ、当期消費損益が大幅な赤字になったとしても、自分たちの家庭決算書を検討して、家族全員が納得の上での消費であれば、特に問題にはなりません。問題になるのは、自分たちの家庭状況を把握もせずに、無計画で消費をして、その結果、当期消費損益が大幅な赤字になった場合です。

例えば、ある年に家族で海外旅行へ行くことを計画して、節約をし、貯蓄をして、 海外旅行に行ったとします。その結果、その年の当期消費損益は大幅な赤字になり正味財産も大幅に減ってしまいました。この結果は家庭の経営者として失敗したことになるかというと、そういうことにはなりません。海外旅行へ行くことを家族で計画し、そのために節約をし、貯蓄をして正味財産を増やし、海外旅行に行ったわけですから、たとえこの年の当期消費損益が大幅な赤字になったとしても、家族全員が納得の上での消費なので特に問題にはなりません。問題になるのは、この海外旅行が無計画で、自分たちの家庭状況を把握もせずに実行され、当期消費損益が大幅な赤字になった場合です。

 この場合には、何故当期消費損益が大幅な赤字になったのか、その原因がつかめ ないので、今後の家庭経営に大きな不安を抱えることになります。また、ただやみくもに、当期消費損益をプラスにし、正味財産を増やせば良いということでもありません。当期消費損益をプラスにするために、家庭の消費生活で無理な節約をして病気になってしまったり、無理な節約を何十年間も続けて、たとえ1億円のお金 を貯めたとしても誰が喜ぶのでしょうか。お金を貯めることが、その人の人生であれば良いのですが、やはり、お金は使うためにあるもので、今、消費するのか、将来、消費するのか、家庭の健全性を考え、家庭を経営していくことが大切なことだと思います。

 このように、当期消費損益をプラスにすることは、正味財産を増やすことにつな がり、家庭にとっては望ましいことですが、必ずプラスにしなければいけない、ということでもありません。家庭の経営者は、自分たちの家庭決算書を持って、財産対照表を管理し、当期消費損益を上手にコントロールすることこそが大切なのだということを、忘れてはいけないと思います。

                                                2008年9月12日      

 

         第48回 消費生活(その5)・・消費の性質

 

経済要因の影響を受けない消費

これは、「税金等」、「日常生活費」、「その他生活費」の3つに分類されます。

「税金等」は、所得税、住民税、社会保険料及び固定資産税や自動車税などのその他税金に区分されています。これらは、税率などが決められており、経済要因による時価の変動などはありません。

また、所得税、住民税、社会保険料は、給料から天引きされていて、実際に普通預金に入金される給与金額は、給料総額より少なくなっています。

たとえば、給料総額が422,880円で、社会保険料21,180円、所得税24,510円、住民税31,600円だとすると、普通預金に入金される給与金額は345,590円になります。

このとき、「仕訳」を普通預金に入金される金額だけで行わずに、

            左 側              右 側

      普通預金  422,880円   /    給料収入 422,880円

      所得税     24,510円  /  普通預金   24,510円

      住民税     31,600円  /  普通預金   31,600円

     社会保険料    21,180円  /  普通預金   21,180円

のように給料総額で仕訳をすると、給料全体の内容が明らかになります。

(仕訳については、「複式簿記であなたが変わる」P.76(拙著)参照)

「日常生活費」とは日常生活を営む上で、毎月ほぼ同程度の消費が行われる消費を言います。具体的には、食料費、通信費、交通費、水道光熱費、新聞図書費などの消費科目に分類されます。

「その他生活費」とは月によって発生する金額が違ったり、臨時に発生する消費を言います。

具体的には、外食費、交際費、医療費、旅行費、教育費などの消費科目に分類されます。

 

外部の経済要因の影響を受ける消費

これらは、経済状況の変化により、家庭の財産に影響を与えるもので、家庭の経営者が自分でコントロールできない消費を言います。

具体的には、銀行ごとに変化する借入金の支払利息、時価の下落による資産の評価損や有価証券売却損などがあります。

資産の評価損は、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額よりも値下がりし、含み損が出ている場合に、実際にはお金の支払いがあるわけではありませんが、特別消費として計上するものです。

たとえば、株の時価が下落して50,000円の評価損が発生している場合の仕訳は、

次のようになります。

              左 側           右 側

     資産評価損 50,000円 / 有価証券 50,000円

有価証券売却損は、例えば株式などを売却したとき、売却価額から時価評価額(または取得価額)を差し引いて損失が出た場合に消費として計上するものです。

たとえば、300,000円で購入した株を、280,000円で売却し、20,000円の売却損が生じた場合の仕訳は、次のようになります。

           左 側              右 側

       普通預金  280,000円  /  有価証券 280,000円

    有価証券売却損  20,000円  /  有価証券  20,000円

削りやすい消費と削りにくい消費

「日常生活費」、例えば、食料費、通信費、水道光熱費などは、日常生活に欠かすことができないので、削りにくい消費であり、「その他生活費」、例えば、外食費、交際費、旅行費などは、生活状況に応じて、取りやめることができるので、削りやすい消費といえます。また、キャッシュローンなど安易な借り入れによる支払利息は、自分の意思で容易にやめることが可能なので、削りやすい消費といえます。

一方、土地やマンションなどの不動産や有価証券などの時価の下落による評価損は、経済環境などの変化によって結果が変動するものなので、管理しにくい消費と言えます。

このように消費の中には、削りやすい消費、削りにくい消費と管理しにくい消費があることが分かります。

自分達への投資  

 消費の中には、将来の消費、すなわち投資もあります。会社は将来の発展のため

 試験研究や開発にお金を投資しています。

家庭においても会社と同様に将来のため、自分たちへの投資を考えることも必要です。

 例えば、自分の職務の遂行に必要と思われる講座や講習に出席するとか、

 他の業界や他社との人脈を強化する、自己啓発のため簿記、英検、栄養士、

  弁護士、税理士や公認会計士などの資格を取るなどがあります。

  また、自分の趣味や子供の教育にも投資して、無形の財産を蓄積していくことも 考えられます。

    ただし、これらの投資は、家庭決算書を分析し、自分たちの財産状態を考へ、

  自分たちのできる範囲を認識し、資金繰りに問題のない、無理のない投資

  をすることが必要です。

                                   2008年9月9日 

 

               第47回 消費生活(その4)・・消費満足   

 

給与所得者は、会社で働いてその労働の対価として給料などの収入を得ています。そして、家庭の消費活動を通して、そのお金を消費していきます。お金を消費すると言うことは、お金を使うと言うことです。

家庭の消費活動の目的は個人個人によって異なりますが、健全な家庭生活を維持して、いかに消費による満足を高めるかということだと思います。

また、家庭の消費活動は、次のようになります。 

                                                  「新・家庭経営」P.45(拙著:プレジデント)より抜粋

 

家庭の経営者は、収入を増やすだけでなく、お金を消費すること、すなわち、お金を使うと言うことについても、責任を負っていると言えます。

お金を使うということは、生活をするということです。

わたしたちは、労働の対価としてお金を得て、そのお金を使ってより良い家庭生活を維持し、向上させるために、お金をどう使ったらよいかを考えます。そして、その使った結果に満足できて、はじめてお金を使ったことに意味があります。

私たちがお金を使った結果、お金を使ってよかったと思えること、つまり満足が最大であれば、そのお金は有効に使ったことになるのです。お金を使うこと、すなわち、消費することによって得られる満足のことを「消費満足」と言い、この消費満足を最大にするようにお金を使うことが、消費生活において最も重要なことと言えます。そして、人生という長期間にわたる消費生活の満足度の総和を、できるだけ大きくすることが、「家庭の経営者」の最も大切な仕事であると考えます。

 お金は、私たちが欲しい物を手に入れるための交換手段としてとして使うものです。また、このお金を自分で意識をして使うことで、お金を使ったことによる満足を最大にすることができるのです。そのためには、お金を使うことを惜しまないと言うことです。お金を使った結果得られる満足、すなわち、消費満足を最大限にするようにお金を使うと言うことです。

例えば、家族旅行、車を購入する、海外旅行など、大きな出費をする場合に、そのための資金計画を立て、家庭の正味財産を計算して、合理的な判断に基づいてお金を使うのであれば、大いにお金を使っていいということです。

まさに、お金は、使うためにあるのです。そのためには、お金に関する、自分たちの正しい情報を持つことです。そして、お金の使い方を研究しなければいけません。自分達が主体的にお金を使う方法を考えることです。

   したがって、お金の裏付けがある人生設計を考えた場合、今、お金を使ったほうが、満足度が大きいと判断するなら、今、使うべきだし、将来、何かの目的のために使ったほうが満足度が大きいと判断するなら、将来の消費のためにお金を使う、すなわち、貯めたほうがいいといえます。

多くの人にとって、今、全てを使ってしまうキリギリス型と、将来に備えてひたすら貯蓄するアリ型との中間に、満足度が高い生活が存在しているはずです。

「家庭の経営者」は、お金を、今、使うか、将来、使うか、と言う経営判断をしながら、人生と言う長期間にわたる消費生活の満足度の総和を、いかに大きくするのかということが問われているのです。

                           2008年9月2日                                

       

 

             第46回 消費生活(その3)・・見えない支出の怖さ

 

・目に見えないお金の支出

家族全員が、それぞれがクレジットカードを持って、スーパーやデパートなどで、いろいろな買い物をする時代です。そして、買い物をした翌月または翌々月に、預金口座から代金が引き落とされます。また、時々買い物をしすぎて、代金の引き落としのとき、預金残高が足りなくなって、大騒ぎをすることもあります。

クレジットカードを使って買い物をした場合、買ったときに消費が発生し、引き落としされるときに支出が発生します。そこで、家庭の管理を収入と支出だけでしか見ていないと、大きな失敗を犯す危険が生じることになります。

すなわち、クレジットカードを使って買い物をした場合、お金の支出はそのときには発生していません。しかし、借金(負債)が発生しているのです。借金(負債)とは、将来お金を支払うべき義務をいうのですから、翌月または翌々月に必ずお金を支出する日がやってきます。

たとえば、家族4人がそれぞれクレジットカードを持って、7月に合計7万5千円の買い物をしたとします。そして、8月25日に普通預金口座からこの金額が引き落とされたとします。これを、家庭決算書で見てみると次のようになります。

            (左側)    (右側)

     7月     消 費  /  カード未払金  75000円

     8月25日 カード未払金 / 普通預金    75000円

7月に、消費は、消費損益計算書に75000円が計上され、カード未払金は、財産対照表に負債として75000円が計上されます。

    8月に、普通預金口座からこの金額が引き落とされると、財産対照表の資産の普通預金が75000円減少し、負債のカード未払金も75000円減少します。8月には消費損益計算書への影響はありません。 

このように、クレジットカードを使って買い物をした場合、消費をしているのに、実際には、お金の支出はありません。お金の支出が無いので、消費によって負債が発生していることが見えなくて、たくさんのものを買ってしまうという失敗をして、後で困ることになるのです。そこで、家庭決算書を作ることによって、このような失敗を防いで、健全な家庭経営をするようにしてもらいたいと思います。

・支払利息の大きさに気づく

 借入金の元金は、返済した金額だけしか減らないのは当たり前ですが、支払利息は、金利や借入期間などの条件によって変わります。返済途中でも、繰上げ返済や借り換えが可能ならば、支払利息の金額は変えられるのです。

したがって、借入金は、元金と利息を分けて管理することが必要なのです。

例えば、カードローンを利用して100万円借りたとします。このとき、利息は年利25%

元金返済は毎月5万円とすると、支払利息は年間25万円(100×0.25=25)、元金の返済は年間60万円(5×12=60)で、元利合計で年間85万円の支出になります。

また、このとき、年間の収入が250万円、食費などの消費支出の合計が150万円の場合、収入と支出だけでみると、15万円(250−150−85=15)の貯蓄が出来たことになります。ただし、借入金の支出は元金と利息を合計しているため、元金の残高がいくらなのか、チェックが必要となります。

一方、元金と利息を分けて、元金は財産対照表、利息は消費損益計算書に計上してみると、

 仕訳は次のようになります。

          (左側)     (右側)

         現 金  / カード借入金100万円 

         現 金  /  年間収入  250万円

       年間消費支出 /  現 金  150万円

     カード借入金(元金)/ 現 金   60万円

       支払利息   /  現 金   25万円

   (仕訳については、「複式簿記であなたが変わる」P.76(拙著)参照)

財産対照表では、負債のカードローンの残高が60万円減少して40万円になり、正味財産の当期消費損益が75万円増加して資産の預貯金が15万円増加したことが分かります。そして、消費損益計算書では、75万円(250−150−25=75)の当期消費損益が計上されています。

また、同時に、支払利息が年間25万円ということは、年間収入250万円の10%にもなっていることが分かります。

そして、カードローンで最悪なのは、借金返済のために借金をすることです。ローン返済を滞らせないために、借金をする、生活費が足りなくなって借金をする、ついにはその借金を返済するために借金をする。そして、多重債務者となり自己破産を選択せざるを得なくなっている人の数は、2002年で214000人を超えているのです。

お金を安易に借りると言うことは、特に注意が必要です。そのためにも、できるだけ早く自分たちの家庭決算書を作り、自分達に合った家庭経営を始めることをお勧めします。

また、実際にはお金の支払いがあるわけではありませんが、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額よりも値下がりし、含み損が出ている場合に、資産評価損として特別消費に計上する場合があります。これを計上することによって、家庭の財産状態をより正しく認識することが可能となります。

                                                                                     2008年8月26日

  

        第45回 消費生活(その2)・・お金の管理と支出 

・お金の管理

 今まで家庭におけるお金の管理は、専業主婦である奥様にすべて任せておけば問題の無い時代が続いていました。しかし、現在は、主婦がパートをするとか、共働きをするなど、さまざまな生活形態が生じ、家庭生活が大きく変化をしてきました。

また、パソコンによる取引、デビットカードによる取引やクレジットカードによる取引など取引方法も複雑になりました。さらに、生命保険など自分達に合った保険をどのように選ぶか、住宅ローンをどのように組むかなど節約方法も専門的知識が要求される時代になりました。

このような時代に、お金が、家庭内で家族にどのように配分され、使われているかということを考えてみると、家庭におけるお金の管理も専業主婦が中心であった従来の方法と、大分変わってきました。

例えば、共働きの場合には、夫婦それぞれが自分の収入は自分で管理し、支払いは一括して、半分づつを負担し、残ったお金は各自が自由に使う方法とか、また、各自の収入をすべて合算し、すべての支払いを済ませ、残ったお金を半分づつ分けそれぞれ自由に使うとかの方法をとるなどの管理をしているケースがあります。もちろん、お金の管理は、すべて妻任せという方法を取っている家庭もあります。

このように、家庭の生活形態が変化し、家庭の収入がご主人だけでなくなり、また、家庭環境の変化に伴い、家族全員がそれぞれ同じように生活しているわけではないので、これからの時代、家庭経営者は、家族全員が納得できるようなお金の配分をするなど、お金を管理する方法を考えることがますます重要となります。

・お金の支出には2つの意味がある

お金を支出するとは、例えばスーパーで買い物をするとか、本を買うなどしてお金を支払ったり、有価証券を購入して証券会社にその代金を支払ったり、住宅ローンの元金と利息をローン会社に返済したりする場合に、お金が家計の外部に出て行くことを意味します。

しかし、お金が支出されたことに、変わりはないが、スーパーで食料や消耗品を購入することと、有価証券の購入や住宅ローンの元金の返済は、同じ支出でも家計に与える影響はまったく違っています。

 スーパーで食料や消耗品を購入することによって支出されたお金は消費で、支出された金額だけ家庭の財産が減少します。一方、有価証券の購入による支出は、お金が有価証券に代わったことによるものであり、住宅ローンの元金の返済による支出は、負債がその分だけ減ったことになり、家庭の財産への影響はありません。

  このように、お金を支出することには変わりがないが、その意味に大きな違いがあることを、知っておく必要があります。

・(収入―支出)と(収入―消費)の違い

今、収入が30万円で、食費に10万円、衣料費に10万円、有価証券の購入に10万円、合計30万円支出したとします。

家計簿では、(収入―支出)ですから、30−10−10−10=0で収支差額合計は0円となります。

一方、消費損益計算書では(収入―消費)を集計するので、有価証券(資産)購入費の10万円はここには計上されず、当期消費損益には(収入―消費)の結果として、30−10−10=10万円の当期消費損益が出たと計算されることになります。10万円の当期消費損益が出たといっても、現実には、財布の中に10万円が残っているわけではないから、家計簿に慣れている人にとっては、やや違和感があるかもしれません。

しかし、「財産対照表」の前月末と今月末を比較すると資産の有価証券10万円が計上されて、資産の合計が10万円増えるとともに、正味財産の当期消費損益も10万円増えていることが確認できるはずです。

 このように、お金の支出だけを見ていては、家庭の本当の財産の動きを把握することはできません。家庭の財産を管理するには、財産対照表と消費損益計算書と言う2つの連動した報告書(家庭決算書)を利用することによって、初めて可能になるのです。

                                                                                      2008年8月22日

      

           第44回 消費生活(その1)・・お金について 

上手なお金の使い方

お金を使う方法は、財やサービスを購入する「消費」と、将来の消費に備えて運用する「投資」の2つに分かれます。消費するか、投資するか、その決断は家庭の経営者であるあなたに委ねられています。

定年まで、余暇の時間もあまりとらず、仕事一途に働いてきた人も多いでしょう。そういう人たちは遊びに行く暇も無かったわけですから、これからの家庭生活をいかに過ごすかについて、いろいろ考えていることと思います。幸せな生活を送るために、また、満足度の高い家庭生活を送るために、お金をどう使うかということを考えていることと思います。

例えば、今までの都会の生活から、田舎に引っ越して、広い庭に家庭菜園を作って暮らすとか、自宅を処分して、都心に小さなマンションを確保して、大学のオープンカレッジやカルチャーセンターで自分自身に投資をして、文化や教養を高め、コンサートホールでオペラや演奏会を楽しんだり、美術館に行くなどの生活をしたりする生活に変えていく。また、現在の自宅をリフォームして、ホームシアターを作るとか、さまざまな趣味を持ち、その趣味についての研究を続けていくとか、あるいは、社会のために奉仕をするなど、自分なりの生き方をするために、いかに堅実なお金の使い方をするのか、などいろいろなことを考えていることでしょう。

ゴルフクラブを買えばその分の現金が減り、ゴルフの楽しみを得る事になります。ローンを利用して家族で海外旅行に行けば、負債を増やす代わりに旅行の思い出を作ることになります。また、株式に投資をすれば、運用益を出す可能性がある半面、運用損を出す可能性もあります。

お金を消費するか、投資するか、その決断は家庭の経営者であるあなたに委ねられています。どんな決断に対してどのような満足を得るかには、各家庭のライフスタイルや価値観が反映されています。したがって、一つ一つの決断を単独で評価することは出来ませんが、健全な家庭を長期にわたって維持していけることが担保されていない決断は、いつか後悔に変わることになります。

家庭の経営者であるあなたは、こうしたお金の流れのすべてに対して責任を負っているということを認識して、決断をしていくことが必要なわけです。

いま家庭の経営者に求められているのは、長期的な視点にたって、家族のために上手にお金を使うこと、キリギリス型とアリ型の中間にある、あなたの家庭の個性がキラリと光った家庭経営の方法を開発することなのです。

・お金に関する情報

日本はかって、一億総中流階級などと言われ、上流階級や下流階級が存在しないというように言われていましたが、今日、中流階級は少なくなり一部の上流階級と下流階級だけの存在になりつつあるようです。総務省統計局の平成17年「家計調査の家計簿から見たファミリーライフ」によれば、貯蓄現在高階級別世帯分布において、貯蓄現在高が200万円未満の世帯が14.1%で最も多く、一方、貯蓄現在高が4000万円以上の世帯も10.7%と10%を超えています。そして、全世帯の平均値が1728万円に対し、約3分の2の世帯が平均値を下回っています。また、金融資産を見てみると、金融広報中央委員会が発表した2006年の「家計の金融資産に関する世論調査」によると、1世帯当たりが保有する金融資産の平均額は1073万円で前年に比べ12万円減。貯蓄を保有していないとの回答は22.9%に上った。この結果で明らかなことは、日本社会では、今、持つものと持たざるものとの二極化が急速に進行していると言う事実です。

このような時代をむかえて、何にお金を使うべきかを正しく意思決定するためには、お金に関する情報がどうしても必要になってきます。

しかし、お金に関する情報で、万人にとって正解と言えるようなものは、存在しなくなりました。例えば、資産運用のリスクひとつとってみても、収入が多いか少ないか、借金が多いか少ないか、何歳まで働けるか、子供は何人いるか、どんなライフイベントを計画しているかと言った各家庭の個性によって、資産運用のリスクの許容範囲は異なっています。

自分たちの個性を見極めた上で、情報を選択し、自己責任において、何にお金を使うべきかの意思決定を行う時代になったのです。これからは、一億総中流時代のマネー情報を常識だと思い込んで、家庭経営を行うことは、家庭を危険に陥れることになるでしょう。

したがって、各家庭で意思決定の裏づけとなる、お金に関する自分たちの情報が、どうしても必要になってくるのです。

                                       (008年8月19日)

  

 第43回  家庭を守る(その8)・・家庭の問題点を探る

家庭の資金繰り

資産や負債の中身の違いで、家庭の資金繰りの健全性は、違ってきます。例えば、500万円の資産のうち、短期間で現金化できるものが50万円、現金化に期間を要するものが450万円だとします。これに対して、負債が200万円だとすると、正味財産は300万円となります。この負債200万円のうち、すぐに返済しなければならないものが100万円、長期間で返済するものが100万円だとします。この場合、すぐに現金化できる資産は50万円しかなく、すぐに返済しなければならない負債が100万円で、すぐに現金化できる資産は、すぐに返済しなければならない負債の半分しかないことが分かります。したがって、もし、返済を早急にしなければならないときには、資金がショートすることになり、家庭の資金繰りは健全な状態とはいえません。このように、バランスシート(財産対照表)を見ることによって、資金繰りに窮しているかどうかの判断もでき、早めの対策も可能になるのです。

資産の時価評価は何故するの

今まであげてきた家庭の資産の中には、経済状況の変化によって、その売却価格が変化するものがあります。その変化する資産の価格を、実勢価格に置き換えることを時価評価するといいます。

資産の時価評価をするのは、家庭の資産の現状を把握しておくことです。資産の時価が下落したり上昇したりすることは自力で食い止めることは出来ません。しかしその事実を認識することによって、問題点が見えてくれば、家庭全体のコントロールに役に立つことになるのです。いずれにせよ、本当の時価は、実際に売買して見なければ分かりません。したがって査定額の厳密さにこだわっていてもあまり意味がありません。

しかし、資産の時価評価をすることは、事実に基づいた現状の把握にあります。事実から目を逸らさずに、問題点を見つけ出すことによって、改善策を練ることができるのです。

時価評価の例

不動産

 不動産には、公示価格、都道府県基準地価、路線価、固定資産税評価額、鑑定評額の5つの価格指標がある。

公示価格は国土交通省が毎年発表する1月1日現在の価格で、都道府県基準地価は都道府県が毎年発表する7月1日現在の価格で、実勢価格を基に算出され時価評価をする際の有効な指標となる。

路線価は各税務署が相続税・贈与税の評価額を算出するために発表されるものである。

固定資産税評価額は各地方自治体が固定資産税を徴収するために算出した価格であり、鑑定評価額とは、不動産鑑定士に依頼して算出するもので、実勢価格にきわめて近い金額が算定される。

家庭で実際に所有する不動産の時価評価をする場合の有効な方法は、これらの価格指標を参考にして、新聞の折り込みチラシ、不動産情報誌、不動産会社の店頭公告などから得た販売価格情報を加味して、自分で推測するものである。また、近隣の不動産会社に相場を直接尋ねるという方法も考えられる。

自動車

自動車は、走行距離、装備、ボディカラー、車検残月数、内装備の状態、事故歴の有無などによって、同年式の同車種でも査定額が異なるので、厳密な時価評価は難しい。したがって、中古車業者の無料査定で相談するとか、自動車雑誌などの下取り価格を参考にすると良いでしょう。また、企業会計の減価償却を利用することもひとつの方法です。

有価証券

有価証券は、新聞やインターネットなどで比較的容易に時価情報を得ることが出来ます。しかし、株式など短期的な売買を目的としたものは、売却益や売却損を明確にするために、時価評価をしないで、購入価格のままにしておいたほうが、分かりやすいでしょう。また、会社から送られてくる事業報告書と新聞などの記事を比較して情報分析することも、投資のリスク回避には必要です。

これ以外のものとして、ゴルフ会員権などの各種会員権の時価は、有価証券と同様の手段で、その相場を調べ、書画、骨董、宝飾品の時価は専門家の判断や専門誌の情報が参考になります。

また、保険積立金は解約返戻金の評価額で考えることが原則です。

まず、あなた自身の家庭の財産対照表を作ってみましょう。そして、現状をしっかりと把握してみましょう。 

                                 (2008年8月8日)

 

      第42回 家庭を守る(その7)・・家庭の問題点を探る

 バランスシートの発想を!

今まで、家庭にある資産・負債(借金)・正味財産(家庭の本当の財産)についてそれぞれ見てきましたが、自分の家庭が経営危機に瀕しているのか、いないのか、家庭の問題点はどこなのか、家庭の財産の状況についてAさんは知りたいと思いました。

この家庭の財産の状況を端的に示してくれるのが、バランスシート(財産対照表)です。

家庭の問題点は、バランスシート(財産対照表)に結果として現れてくるのです。

家庭の本当の財産(正味財産)がプラスの場合には、安心であり、家庭の本当の財産(正味財産)がマイナスの場合は脆弱な体質と言うことになります。

バランスシート(財産対照表)とは、左側に資産、右側に負債と正味財産を計上して、「資産合計=負債合計+正味財産合計」と言う仕組みで、作られています。そして、左側と右側がバランスしているのでバランスシートと言われています。

資産デフレのリスクを知る

右肩上がりの時代には、不動産の所有は安心を意味していました。しかし、資産デフレが生じた場合には、それはリスクを意味する。右肩上がり経済の時代には、多少なりとも不動産価格は上昇するものであり、それを見込んでローンを組んでいました。資産は年々厚みを増し、一方、負債は減り、正味財産は着々と増えていきました。教育費の捻出にはそれなりの苦労があったが、住宅ローンを払い終われば、老後は悠々と暮らせるだけの資産形成が少なからず人々に可能でした。

しかし、いったん資産デフレが生じ、地価が下落した場合には、不動産の時価は大幅に下落することになります。高い価格で購入した不動産には、高額のローンが付いて回り、たとえ不動産を売却したとしても、元金を返済できずに、負債が残ってしまうということが生じてしまうのです。

 債務超過は他人事ではない

Aさんの同僚の内には、右肩上がりの時代を想定し、バブル期に高額な住宅を購入した人が何人かいました。

右肩上がりの時代は、年が経つごとにバランスシート(財産対照表)の内容が半ば自動的に改善されていく条件が揃っていたわけで、定年退職の頃にはある程度の正味財産が築けると言うシナリオが書けました。しかし、バブル期に住宅を購入し、現在の時価が購入価格の半値以下に下がってしまっているケースも少なくありません。今や、そのシナリオは成り立たなくなってしまったのです。何故あんなに高いときに買ってしまったのだろう。何故もっと早く売却しなかったのだろう。などと家庭の本当の財産(正味財産)が、マイナスになってしまった過去の判断を、悔やんでみても仕方がありません。家族の幸せを思っての決断であったはずだし、相場の変動によって売買を繰り返すようなものでもない。そもそも今日の経済状況など誰も予測できなかったのだから。

もし、家庭の本当の財産(正味財産)がマイナスになってしまったとしても、家庭経営者にとっては辛い現実だが、見て見ぬふりをしないことことから始めることです。家庭経営者が今日すべき事は、家庭の真実の姿を知ること、すなわち、現状を正しく認識し、放っておかないことに尽きます。自分が努力をしなくてはバランスシート(財産対照表)を改善することはできないのです。

家庭の健全度

刻々と変化する家庭経済の状況を正しく把握し、コントロールする必要に迫られている現在、家庭の問題点を端的に示すのがバランスシートです。

家庭の健全性が高いのは、家庭の本当の財産(正味財産)のプラスが大きいことであり、家庭の本当の財産(正味財産)が少ない家庭は脆弱な体質と言うことになります。また、負債が資産を上回っていて、家庭の本当の財産(正味財産)がマイナスになっている場合には、これを債務超過と言い、すでに家庭の危機が表面化していると考えなくてはなりません。

家庭の健全度を見るひとつの目安として、財産率が考えられています。財産率とは、正味財産を資産の合計で割って計算します。家庭の経営者は、この財産率を50%以上にするように経営していくことが望まれます。

財産率の計算は、例えば、正味財産770万円、資産の合計3570万円の場合は、770万円÷3570万円=21.6%で、また、正味財産2000万円、資産の合計3570万円の場合は、2000万円÷3570万円=56.0%となります。

この財産率が21.6%の場合には、資産のうち自分の持分が4分の1程度しかないことを意味しています。また、資産の4分の3がローン借り入れ先の金融機関の持分となると、家庭の安定度が低いことになります。この先、時価が下がると、さらに財産率が低下して危険です。マンション購入直後に財産率が下がるのは仕方がありません。しかし、10年後から15年後を目安に、繰り上げ返済、借り換えなどをして、財産率が50%以上になるように経営していくことが望まれます。

 

               財産対照表

資産 3570

負債  2800

正味財産 770

合計 3570

合計  3570

           財産率

          770÷3570×100=21.6%

 

                    財産対照表

資産 3570

負債  1570

正味財産2000

合計 3570

合計  3570

           財産率

          2000÷3570×100=56.0%

                                  (2008年8月5日)

 

                    第41回 家庭を守る(その6)・・財産について

家庭の本当の財産(正味財産)を知る

Aさんは、学校を卒業し、会社に入社してからすでに35年が過ぎています。この間に自分で築き上げた財産は、どれくらいになったのか、知りたいと思いました。また、今まで、資産と負債について研究してきましたが、家庭の本当の財産とはいったいどのように計算されるのか、是非、知りたいと思いました。

 家庭の本当の財産とは、資産をすべて現金化し、負債をすべて返済したときに、手元に残る現金のことです。すなわち、資産から負債を引いて算出されるものであり、この家庭の本当の財産を「正味財産」といいます。

     正味財産の数字は、目に見えるお金ではありません。これは資産から負債を引いた差額であって、目に見える財産をすべて現金化し、返済すべきお金をすべて返済したときに残るお金を意味します。正味財産の数字が増えたと言うことは、手元の現金が増えたと言うことを意味するのではなく、形式的に残るお金が増えたと言うことを意味します。また、正味財産の数字は、自分たちの労働によって、今までにどれだけの財産を蓄えることができたかと言うことを示してくれます。(拙著:新・家庭経営P.132)

家庭の本当の財産は、次のように計算されます。

「正味財産」=「資産」―「負債」

この正味財産を増やす方法でもっとも安全確実なのは、金利は低いが定期預金など預貯金額を増やすこととか、消費損益計算書の収入や消費の見直しをすること、たとえば、アルバイトをするとか、低利の住宅ローンへの借り換えによって、返済額に占める支払利息額を減らすとか、通信費や水道光熱費の無駄をチェックするなどがあります。

また、リスクはありますが、有価証券などの資産運用方法を見直したりすることで、正味財産を増やすこともできます。

正味財産の性質

正味財産には、自分で築き上げた財産と自分以外の家族(親兄弟など)の人の力によって蓄えられた財産という2つの性質を持った財産が含まれています。

自分で築き上げた財産

財産のうち、Aさんが35年間に渡って、給与収入や資産の運用によって築き上げた財産、すなわち、自力で築き上げた財産があります。この財産を留保財産と言います。これは、1年間の全収入から全消費を引いた差額、すなわち、1年間に自力で築き上げた財産(当期消費損益)のいままでの累計額を意味しています。また、今年1年間に自力で築き上げた財産を当期消費損益と言います。

自分以外の家族(親兄弟など)の人の力によって蓄えられた財産

  自分の家族(父、母、兄弟姉妹、祖父母など)から相続や贈与によって譲り受けた財産、すなわち、自分以外の力によって築かれた財産があります。例えば、Aさんが家を購入したときの頭金として、親から500万円の資金援助を受けたなど、住宅を購入したときの頭金の補助金や結婚したときの持参金などが含まれます。このような自分の家族からの力によって出来た財産を家族財産と言います。

このように、財産には、自分で築き上げた留保財産と自分以外の家族(親兄弟など)の人の力によって蓄えられた家族財産があり、前者は毎年変化していきますが、後者は譲り受けたときの金額で変化しません。

 財産対照表で分かる本当の財産

今まで、家庭にある資産・負債(借金)・正味財産(家庭の本当の財産)についてそれぞれ見てきましたが、家庭の財産の状況を財産対照表で表してみます。

「財産対照表」とは、左側に資産、右側に負債と正味財産を計上して、「資産合計=負債合計+正味財産合計」と言う仕組みで作られています。そして、左側と右側がバランスしているのでバランスシートとも言います。

 つぎに、全世帯の平均によって、実際に財産対照表を作成して見ましょう。

 所有している土地の価額を2000万円、建物の価額を100万円として計算すると、資産合計は3827万円、負債合計は501万円となります。この結果、正味財産(本当の財産)は3326万円(3827−501=3326)となります。また、今まで働いて築き上げた財産(留保財産)は、親からの資金援助(家族財産)500万円を控除した金額2826万円(3326−500=2826)となります。

 

                       財産対照表     

資 産

負 債    501

土地  2000

建物   100

その他 1727

正味財産(3326)

家族財産   500

留保財産  2826

合計  3827

合計    3827

         同様に、勤労者世帯の平均によって、財産対照表を作成すると次のようになります。

資産合計は3391万円、負債合計は616万円となり、この結果、正味財産(本当の財産)は2775万円(3391−616=2775)となります。勤労者世帯の正味財産(本当の財産)は、全世帯の正味財産(本当の財産)を551万円下回っていることが分かります。

 

                  財産対照表     

資 産

負 債    616

土地  2000

建物   100

その他 1291

正味財産(2775)

家族財産   500

留保財産  2275

合計  3391

合計    3391

 

   家庭の本当の財産(正味財産)を正しく認識しておくことが、家庭生活を安定したもの  とすることが出来るのです。

 家庭の現状をしっかりと把握し、本当の財産(正味財産)を正しく認識するために、家  庭決算書を利用して、あなた自身の家庭の財産対照表を作ることが、是非必要なのです。        

                                          (2008年7月29日)

 

 

   新・家庭経営のすすめ           

  (3) 2014年版

新・家庭経営ソフト「家庭決算書」

 ファミリー版

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2014年版新・家庭経営ソフト「家庭決算書」ファミリー版

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2014年版新・家庭経営ソフト「家庭決算書」

ファミリー版

商品区分
ダウンロードソフト
販売価格
8,640円(税込)
メーカー
有限会社 家計会計協会
 

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  (2) 2014年版

新・家庭経営ソフト「家庭決算書」

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商品名

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ダウンロードソフト
販売価格
5,184円(税込)
メーカー
有限会社 家計会計協会
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